永遠のカタチ 全21話(3-5)話 しまひろこ

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【永遠のカタチ3/20 ~東京コンサートとメール~】

懐かしいKさんからのメールを読み
ひとしきり泣いた後、

私はその日のうちに
メールで返事を書きました。

「Re:お手紙ありがとう」
==
Kさん

お返事本当にありがとう!!

久しぶりにKさんに会えた気分で、すごく嬉しい気持ちで読んで、
(今でも再会の喜びは大きいです)

そして全文を読んでから、涙と、今まで連絡を取らなかったことへの後悔で
胸が詰まりました。

電話しようかとも思ったのですが、
自分がちゃんと話せるか自信がなかったので、まずはメールでお返事しますね。

後悔というのは、

私にとってオリソン時代は、まさに青春そのもの、で(^^;

苦くて甘い、そして、今思えば、夢のような時間でした。

思い出すたびに、切なくなる部分もあるので、

なんとなくですが、社会人になってから疎遠になってしまったように思います。
(自分であえて、そうしようと思ったことはないのですが)

仕事をして、結婚して、子育てして、「自分って???」
と思うこともしばしばありましたが、

でも、そんな時、私は、オリソンで自分の歌を歌っていたことが
妙に自分の自信になっており、地味にそんな自分が好きでした。
自分の歌を歌っていた、歌える私が内側にいることで自分を保っていました。

そして、結局、内に秘めたままではいられなくなり、

素直に歌が好きだといい、

もっともっと上手くなりたくて

もっともっと自由に自分の歌を唄いたくて

一人でも多くの人に届けたいと願うようになりました。

今、自分が歌を唄えるのも、思えばオリソンという場所があったからで

オリソンという居場所で温かく迎えてくれた仲間がいたからです。

そうした人たちを、私はもっと大切にすべきだったし
感謝するべきだったのに、これまでできていなかったと本当に後悔しています。

今回、こうして東京でコンサートをするとなった時、
繋がりが薄くなっているオリソンメンバーに連絡するか悩みましたが
(今更、とか思われるかな~とか^^;;)

でも、やはり私はオリソンが好きで、あの時の仲間が大好きなので、
これは、またみんなと出会うためのチャンスなのかも、と思えるようになり
可能な限り、連絡してみようと思いました。

こうしてKさんと、また出会えて、本当に嬉しいです。
連絡してくれて、本当にありがとう!
そして、今まで本当にごめんなさい!

近況も教えてくれて本当にありがとう。

知らずにこのまま過ごしていたらと思うと、ぞっとします。

とりあえず、メールを読んで、ひとしきり泣いてから
私のしたことは、CDをすぐに送りました!!(笑)

そして、ぜひ、東京コンサート、来て欲しいです。

無理なお願いかもしれないけど
それは私の本心だし、これから一か月間の
お互いのお楽しみとしたいと思います(^^)

お互い頑張りましょう!!

==

その時の私はまだ、状況の認識が甘く

Kさんの本当の願いを思いやるほどの

経験も思慮もなかったように思います。

(つづく)

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【永遠のカタチ4/20 ~東京コンサートとメール~】

Kさんから再びメールが来たのは、

それから一週間後でした。

==
しまさん

Kです。お返事遅くなりました。

体調が正直どうなるかわからないので、
大丈夫!とも、
ちょっと無理かもとか考えていましたが、
考えすぎてもしょうがないんですよね。

当然ライブ行きたいですが、
ダメそうならお見舞い来て下さい。

入院してるかもしれないし、
自宅いるかもまだわからないかなぁ。

ライブは録画するよね?
行けなかったらどっかに
アップロードして横流しして(^^;

昔テープでやってた頃と比べるとさぁ、
ほんと何でも便利になったよね~。
といっても20年近くもたってるから当たり前かぁ。

そういや、むかーし、
さかもとさんが卒業の頃、
Hあたりがアレンジしてくれたテープ
くれたと思うんだけど、

あれに入ってた確か、
”子猫になって”って曲なかったっけ?
あれ好きだったなぁ。

うちのどっかにもあるはずなんだけど、
すぐ出てくるなら聞きたいなぁ。

ちなみに病状の件ですが、
他のオリソンの人と連絡取る機会があれば
それとなく?伝えてしまってください。

当然さかもとさんからは伝えずらいとか、
自分で直接言った方がいいよというのであれば
そうするのですが、

なんか伝えずらいんだよねぇ。

取り急ぎですが、それじゃまた!

==

このメールをもらって、すぐに

「ライブはビデオ録画するね」
「昔のテープ、探してみるね」
「他のオリソンメンバーにも伝えてみるね」

といった返事を含んだメールをしましたが、

メンバーに、
私から連絡すべきなのか悩み、
すぐには行動できずにいました。

Kさんからは、すぐにはメールは来ず、

気づくと4日が過ぎていました。

(つづく)

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【永遠のカタチ5/20 ~サークルメンバーと一つの時代~】

「ちなみに病状の件ですが、

他のオリソンの人と連絡取る機会があれば
それとなく?伝えてしまってください。

当然さかもとさんからは伝えずらいとか、
自分で直接言った方がいいよというのであれば
そうするのですが、

なんか伝えずらいんだよねぇ。」

このKさんからのメッセージを、
何度も何度も、繰り返し読みました。

「なんか伝えずらいんだよねぇ。」

・・・・・・。

そもそも、Kさんという人は

サークルの誰からも慕われている存在でした。

一見、小柄で、色白で、地味な風貌でありながら

実は2浪していて、同学年や先輩よりも年上だったり

飲む打つ煙草(笑)、が半端なく、

(あの頃に戻れれば
お酒も煙草もやめさせるでしょう。

ちなみに、打つは「パチンコ」
バイトをしている話は聞いたことがなかったなぁ。)

そして、サークルの誰よりも

ギターが上手でした。

ステージでも、
立ち位置は控えめなギターリストでしたが、

その白くて細い指から、

繊細なリズムと響き、

泣きのギターソロ、、、

いつもいい音がしていました。

飄々とした雰囲気がありながら
どこか人懐っこく、

サークル小屋(サークルのたまり場)に行くと
いつもKさんがいて

缶コーヒーと煙草を手にしているか
ギターを弾いていました。

バンドリーダーになるタイプではなく、

バンドリーダーの横で、
ぼそっと「俺は、それ好きだよ」と言いながら

ギターで支えてくれる、助っ人タイプの人で、

そんなKさんの周りには、

先輩、同学年、後輩といった学年や
男女を問わず、人が集まっていました。

サークルでは、イベントの時に
出演バンド単位で参加費を徴収することがありましたが

Kさんは、サークル内で最多の所属バンド数の上、
常に金欠気味でもあったので
(バイトをしてないので)

Kさんからの徴収は、
だれかがこっそり肩代わりしていたり、
そのまま免除になっていたように思います。

そうしたことも何となく許されてしまう、
そんな存在でした。

私とKさんの関係は、というと
一つ学年違いの、先輩と後輩でした。
(年齢的には、Kさんが3つ上)

特別に、というわけではないですが
Kさんに可愛がってもらった一人でした。

Kさんは、私のすることを
いつも面白そうに眺めて
くすくす笑っている人でした。

(つづく)

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