『Shall We Sing?』~ひがし野ひろしま市編~第12話

お母さんシンガーソングライター 始まりの物語

※フィクションです。登場する人物や地名は実際のものとは関係ありません。


第12話:ひがし野ひろしま音楽祭 当日前半


とても清々しく晴れ渡った空。

“音楽祭” の野外ステージがあるには、とてもふさわしい日だった。

待ちに待った!と言いたいところだったが、「練習できなくても、本番はやってくる・・・。 んだね、やっぱり。」と、会場に到着した私は、あまり晴れやかでない気持ちで夫にボヤいた。

和博を抱っこ紐で、前向き前抱っこで(←私のステージが見やすいように) 連れて来てくれている夫が、

「『練習できなかった』なんて言ってるけど、僕から言わせれば、練習する時間なんか、いくらでもあったよ。もう何年も。。。子どもと一緒にいながらだって歌ったり、鍵盤なくても指動かしたりできるんじゃないの?毎日毎日、完璧な練習時間を待つ前に、1分でいいからやったら良かったじゃん。」

と言ったが、本番を前に、そんなことを言われても、、、という私のドンヨリムードを察したのか、すぐに

「とにかく、最低限は準備してきたんでしょ?今日は、今の自分で精一杯やってごらんよ。歌はいい歌なんだから。」

と励ましの方向に話を向けた。

「歌はいい歌なんだから」と言ってくれたのがとても嬉しかった。

私が「歌手になりたい」と言って仕事を辞めた時にも、夫が反対することなく、割にあっさりと認めて(あきらめて?)くれたのは、結婚前から、私が自分の特技として自作した歌を聴かせていたからだった。彼は当時から、私の歌をとても好ましいと思ってくれていた。そう思ってくれていることが、私も本当に嬉しかった。

夫の言う通り、とりあえず、 最低限は準備してきたのだ。ステージ上で、頭が真っ白になっても困らないように、歌詞を書いた譜面も用意してきた。CDでオケを流すから、たとえキーボードを弾く手が止まってしまっても、演奏には支障はないし、とにかく譜面を見て歌い続ければ良いのだ。

オリジナル曲だけど、聴いている人にも曲を楽しんで貰えるよう、配布用の歌詞カードを持ってきた。

3曲。落ち着いてやれば大丈夫、きっとできる。

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和博は、比較的高い位置から前が良く見える、パパにしてもらう前向き前抱っこが大好きだ。周りの賑やかな様子を珍しそうに眺めながら大人しくしている。

今日、ママが、初めてステージで歌う、というのも分かっているのかいないのか。

リハーサルは、立ち位置や、セッティングの確認だけの簡単なものだった。

いよいよオープニングセレモニーが始まった。中学校の吹奏楽部の父兄が詰めかけ、ステージの周りは、思ったよりも人が集まっていた。

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6/7(土)~第2回 ひがし野ひろしま音楽祭~
★野外ステージ出演者一覧★

10:00 オープニングセレモニー:西ひがし野中学校吹奏楽部
10:20 ABC英語幼児園
10:40 オカリナ奏者 三木裕子
11:00 しまひろこ


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ファンファーレと人ごみの音が、頭のなかでぐるぐると混ざる。

やはり緊張してきた。すでに、最初の出だしの鍵盤の指の位置さえ、はっきり思い出せない。。。

ステージは、次の幼児園の発表に移った。さらに観覧の人数は増えたようだった。

「僕たちはそろそろ客席側に行くよ。ひろこのステージ前に、歌詞カードも配っておくよ。とにかく、上手くやろうとしないで。失敗したっていいんだから!今の自分で全力で頑張っておいで!」

そう言って、夫と、きょとんとした顔でパパの胸で揺れている和博は、ステージの裏から離れていった。

一人になった。
一人になるのなんて、本当に久しぶりだ。

和博がいて、ママの私がいる、そんな時間が2年間続いた。

「かずひろ君のママ」 と呼ばれる毎日に、少し疲れを感じるときも正直あった。

単に一人になりたいわけじゃない。ママでいるのが嫌なわけじゃない。

ママでもいたい。でも「自分」としても何かに打ち込みたい。

それは相反する思いのように私は感じていた。小さな子どもが傍にいながら、「自分」の時間を求めるのは、良いママじゃない、と。

でも、このままでいたら、私はきっとママとしても、自分としても息苦しくなってしまう。自分でもそう思うし、夫もきっと気づいている。

だから、今日、ここに来たんだ。

ママとしても、「自分」としても生き生きとした時間を過ごしたい。 欲張りな私なんだ。でも、それでいいじゃない。だったら、やってみなきゃ。

「やりたいって言っておきながら、全然やらないで、 家であんなにイライラしてごめん。 そんな私なのに、今日、私のために一緒に来てくれてありがとう。私を信じてくれてありがとう。」と夫と和博に、心の中でつぶやいた。

とにかく、やってみるよ。

つづく。

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