『Shall We Sing?』~ひがし野ひろしま市編~第14話

お母さんシンガーソングライター　始まりの物語

※フィクションです。登場する人物や地名は実際のものとは関係ありません。

第14話：まずは自分で歌ってハッピー子育て！

ひがし野ひろしま音楽祭で、初めてステージに立ち、そこから見えた景色は、私の中で忘れられないものとなった。

殆ど座っていない客席、遠くの方で見守る夫と、夫の胸の抱っこ紐の中で揺れている息子。

それでも、私はステージで歌うことがとても楽しく、自作の歌を通じて表現できることがとても嬉しかった。

まずは自分で自分をハッピーにすることがスタートなんだと思った。家庭の中の母であり妻としても、私という自己としても。

私の場合は、歌が自分をハッピーにするキーワードであることは間違いない。そして私の場合、ただ歌うだけではなく、自分で作った歌を歌いたいのだ。

でも、これから先、何をどうやって行ったら、自分のやりたいことにつながるのか、全くわからなかった。

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そんな私に、

「とにかく、歌を創るってことなんじゃない？」

と夫が、簡単そうに言った。

「今回はステージに立てたけど、3曲中2曲は学生時代の古い歌なわけで、これからのひろこが歌うべき歌を、もっとどんどん作らなきゃ。

今回作った『僕らの天使』だって、もう少し曲としては作り込む必要があるんじゃない？

来年からは和博も幼稚園に行くんだし。そしたら身軽になって、ボランティアで歌いに行くことだってできるかもしれないよ。その時に歌う歌を、今から、少しずつでも準備しておいた方がいいんじゃないの？」

「・・・。」

簡単そうに言われると、ちょっとムカッ腹がたったりするのだが、でもいちいちその通りだった。。。

そう、今の私が歌うべき歌が必要だ。

それは・・・。今回のステージに向けて『僕らの天使』という曲を作ってわかったが、今の私が作り歌いたいと思う歌は、新米ママになって思う、素直な子育てへの想い、悩み、そして愛を歌った歌なのだ。そうした思いは、普段はなかなか面と向かっては言いにくいのだが、歌にすると想いを出しやすかった。作る作業の中で、自分の子育てを見つめなおすこともでき、そして想いをカタチにすることで、とてもスッキリした。そして、この歌を通じて、共感してくれる誰かと出会えたら嬉しいと願う自分がいた。

「今やらなかったら、もう一生、歌なんてできないよ。」

まだまだ和博は手がかかる。でも、今がラストチャンス。家族がそう言ってくれるうちに、まずは初めてみよう。

そう、もっと曲をつくらなきゃ！

・・・と言いたいところだが、その前に、考えた曲を形にする手段が必要だった。

「もう、いい加減、その小さい打ち込みの機械、卒業したら？」

「・・・う、ん。」

学生時代以降、これまで殆ど曲らしい曲を作ってきていない私は、曲作りのツールも古いままだった。

とりあえず、曲のイメージを入力し伴奏を作成できるお弁当箱サイズくらいの「YAMAHA　QY70」という打ち込みの機械を愛用していた。

歌の録音には、MTRという、カセットテープを利用した録音機で録音するという超アナログな手段しかなかった。。。（私の学生時代には主流だった💦）

ここから、まずは卒業せねば！スタートできない！

そう、今時のDTM（Desk Top Music)に移行しないと！パソコンのソフトで曲を作り、声のレコーディング・編集もパソコンでできるやつ！

過去にもトライしようと思ったことはあったが、、、編集画面の操作とか、いろいろ難しい用語とかが、、、なんか、ダメ。ソフトも色々ありすぎて、選ぶこともほぼ不可能。

でも、そんなこと言ってたらまた同じだ。パソコンはあるんだし、とにかく音楽作成ソフトを買おう！

だれか、DTMについて相談できる身近な人はいないだろうか？

・・・あ、そうだ！音楽祭にも駆け付けてくれた、夫婦共通の友人、渡（わたり）さんに相談してみよう！

つづく。

弾き語りで、お聴きください♪
2008年6月の初ステージで歌った、お母さんシンガーソングライター初のオリジナル曲『僕らの天使』♪

しまひろこ資料館
貴重な資料が発見されました！（笑）

音楽祭で配布した歌詞カードが一枚だけ、ノートに貼ってあるのが、発見されました！（表紙）

学生時代に作った歌を、少しだけ、今の気持ちでも書き直しました。
当時から「永遠のカタチ」というキーワードが特に気に入っていましたが、2017年リリースしたCDの中では、「永遠のカタチ」というタイトルで全面歌詞と曲調を改め収録しました。そのきっかけにもなったK先輩との再会、そして東京コンサートまでの道のりを描いたブログ小説「永遠のカタチ」もぜひご覧ください。