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【永遠のカタチ5/20 ~サークルメンバーと一つの時代~】
「ちなみに病状の件ですが、
他のオリソンの人と連絡取る機会があれば
それとなく?伝えてしまってください。
当然さかもとさんからは伝えずらいとか、
自分で直接言った方がいいよというのであれば
そうするのですが、
なんか伝えずらいんだよねぇ。」
このKさんからのメッセージを、
何度も何度も、繰り返し読みました。
「なんか伝えずらいんだよねぇ。」
・・・・・・。
そもそも、Kさんという人は
サークルの誰からも慕われている存在でした。
一見、小柄で、色白で、地味な風貌でありながら
実は2浪していて、同学年や先輩よりも年上だったり
飲む打つ煙草(笑)、が半端なく、
(あの頃に戻れれば
お酒も煙草もやめさせるでしょう。
ちなみに、打つは「パチンコ」
バイトをしている話は聞いたことがなかったなぁ。)
そして、サークルの誰よりも
ギターが上手でした。
ステージでも、
立ち位置は控えめなギターリストでしたが、
その白くて細い指から、
繊細なリズムと響き、
泣きのギターソロ、、、
いつもいい音がしていました。
飄々とした雰囲気がありながら
どこか人懐っこく、
サークル小屋(サークルのたまり場)に行くと
いつもKさんがいて
缶コーヒーと煙草を手にしているか
ギターを弾いていました。
バンドリーダーになるタイプではなく、
バンドリーダーの横で、
ぼそっと「俺は、それ好きだよ」と言いながら
ギターで支えてくれる、助っ人タイプの人で、
そんなKさんの周りには、
先輩、同学年、後輩といった学年や
男女を問わず、人が集まっていました。
サークルでは、イベントの時に
出演バンド単位で参加費を徴収することがありましたが
Kさんは、サークル内で最多の所属バンド数の上、
常に金欠気味でもあったので
(バイトをしてないので)
Kさんからの徴収は、
だれかがこっそり肩代わりしていたり、
そのまま免除になっていたように思います。
そうしたことも何となく許されてしまう、
そんな存在でした。
私とKさんの関係は、というと
一つ学年違いの、先輩と後輩でした。
(年齢的には、Kさんが3つ上)
特別に、というわけではないですが
Kさんに可愛がってもらった一人でした。
Kさんは、私のすることを
いつも面白そうに眺めて
くすくす笑っている人でした。