永遠のカタチ 6/20 ~サークルメンバーと一つの時代~

【永遠のカタチ6/20 ~サークルメンバーと一つの時代~】

大学に入学した18歳の私は

たぶん学業よりも

「初めて好きな音楽ができるのでは・・・」
という期待にワクワクしていました。

それまで、幼少時代に「音楽が好き」
と、母に認知されてから
クラッシックピアノを習ってきましたが、

よくよく考えると「歌が好き」でした(笑)。

高校生になると、当時人気のあった
ミスチルや、スピッツのように

自分で創った歌を唄う人たちに
憧れていました。

高校は進学校の女子高。

まだ幼く、そうした音楽を一緒にできる人や
環境を探すことまではできないままに
日々を送っていました。

でも、大学に入ったら、

「音楽サークルというものが
一般的にあるみたいだから、

絶対、その音楽サークルとやらに入ろう!」

と、心に決めていました。

そして大学に入り、

サークル一覧を目にしたとき、
飛び込んできたのが

「オリジナルソング研究会」

これこそ、私が入るべきサークル!
と思いました(笑)

もちろん、他にも音楽サークルはありました。

・ロック研究会
・Light Music Society
・Jazz研究会

「うーん、

やっぱり、私はオリジナルソング研究会だなぁ」

と自分で妙に納得したものです。

そして、一人でその扉を開けていきました。

そもそも女の子の存在が珍しいサークルの中で、
(各学年、男子10人に女子2人くらいでした)

一人飛び込んできた、

何やらオリジナル曲を創ることに燃えている
18歳の私のすることを

Kさんは、いつも面白そうに眺めていました(笑)

当時の私は、基本的に、年上の人、
さらに男性と話すことも苦手だったのですが

Kさんの独特な人懐っこい雰囲気に
私もKさんとは気楽に話せる
気持ちになっていきました。

そして、

私は、同学年のメンバーで作った
オリジナルソング中心のバンドで
キーボードとして参加し、
自分が作った歌も、そこで発表していました。

まだまだ曲の歌詞もメロディーも
恐ろしく未熟で、半端なく恥ずかしいものだったけど
(笑・当時のバンドメンバー、本当にありがとう!)

Kさんは、私の作る歌をよく褒めてくれました。

「おれは好きだなぁ」という調子で(笑)。

そして、私が2年の終わりか3年生の頃に
自分がボーカルを務める、
オリジナル曲中心のバンドを作ったときに、
ベーシストとして参加してくれました。

今思えば、なぜ、
サークルナンバーワンのギタリストが、
ベースで参加だったのだろう(笑)

とも思いますが、

当時の私のバンドは、あのメンバーで
最強・ベストメンバーでした(笑)。

(今思えば、これまでの人生で、自分がボーカルの
バンドを組んでいたのは、あれが唯一無二です。

以降は、自分がボーカルを務めるのは
ソロか、ユニットのみですね。)

オリジナル曲を、バンドメンバーに提示する時、
実は、少々、恥ずかしかったり
「どう思うかな?」
と、相手の反応が気になるものです。

大抵は、メンバーは
感想を言わなかったりするのですが(笑)、

そんな時、Kさんは、
ぼそっと「おれは好きだよ」と言ってくれました。

それが、本当に嬉しかった。

今思えば、本当にありがたい存在でした。

Kさんの一言で、救われた想いがいっぱいあります。

きっとKさんの周りに集まっていたみんなも
そうだったのではないでしょうか。

10年20年離れていたとしても、

そうやって一緒に過ごしてきたKさんの病状を聞いて、

迷惑だと思う人がいるでしょうか?

少なくとも、私は

このまま知らずにいたら・・・・・・と思うと

ぞっとしました。

今知ることができて良かった

今からでもできることがある

と、心から思いました。

そう思ったら、

本人からであろうと

私からであろうと

誰からであろうと

Kさんの今を

Kさんのことを大切に想っている人に届けるべきだ

と思いました。

そう思い至ると、
私はすぐに行動していました。

(つづく)7/20話へ

(はじめから読まれたい方はこちら)

TO TOP