「Shall we sing?」~ひがし野ひろしま市編~第7話

お母さんシンガーソングライター 始まりの物語

※フィクションです。登場する人物や地名は実際のものとは関係ありません。


第7話:「ふしぎ野の森コンサート」当日・前半



「ふしぎ野の森コンサート」が行われるカトレアホールは、私たち親子が良く通っている子育て広場「ゆめ★もくば」が入っている東条プラザの、すぐ裏にある「ひがし野サンタワー」というビルの中にあった。

一見すると、10階建てのマンション?のように見えるのだが、低層階には図書館や、海外からの留学生のための公的な支援施設があり、高層階は留学生のための宿舎になっていた。その3F-4Fに、カトレアホールがあるらしい。

「こんなビルの中にホールがあるの?」と意外に思いながら、夫と和博と三人でエレベータに乗り、3Fに行ってみると、降りてすぐ左側に入口があり、落ち着いた雰囲気のロビーが広がっていた。

中高生のボランティアさんたちが、受付でコンサートの資料を渡してくれる。

資料を受け取り、ロビー内の階段を登って、ホール2F の後ろのドアから入った。

ホールは階段状の席になっており、どの席からもステージが見やすくなっていた。300席くらい、だろうか。ビルの中にこんな立派なホールがあるなんて、ちょっと驚いた。

席についてパンフレットを眺めていると、学生さんの司会により、コンサートがスタート。和博がじっと座ってられるか心配だが、、、今のところは大丈夫そうだ。ふしぎそうに、照明で照らされたステージを眺めている。

始めは、ファミリーバンドだった。

ピアノの先生をしているママが率いるファミリーバンド。パパのギター、小学生の子どもたちの歌とパーカッションで、クリスマスを意識した曲目の演奏だった。

子どもたちは、たどたどしいところもあったが、一生懸命自分のパートを務めている姿がとても微笑ましく、家族で練習してきた姿が思われ、温かみにあふれたステージだった。

子どもも小学生になると一緒に音楽とかできるのかな。1歳児の子育て中の身には、まだまだ想像できなかったが、家族でステージを目指して取り組むという時間があることを、とてもうらやましく思う自分がいた。

次は、女性二人のオカリナユニットだった。

オカリナの響きが、明るいステージから、シンとした場内に響き渡る。少し緊張した息づかい、二人で呼吸を合わせるしぐさ、一生懸命練習してきた様子が伝わってくる。

楽器演奏も、いいな。やっぱり生の演奏はいいな。表現って、する方も楽しいだろうけど(緊張もするだろうけど)、聴く方も一緒に何かを感じられることは本当に楽しいものだな、と改めて思た。でも、やっぱり聴くだけじゃなく、私も弾きたい、何かを表現したい。

食い入るようにステージを見ている私の横で、和博がもぞもぞし始めた。暗い中でじっと見ていることにも、少し飽きた様子だ。お腹も空いたのかもしれない。

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すると夫が、

「せっかくだから、ひろこはステージ見てなよ。僕が和博にロビーでおやつ食べさせてくるから」

と言ってくれた。

「あ、ありがとう!」私は夫の申し出に心から感謝した。誰か知っている人が出ているわけでもないコンサートなのに、なぜかどの人にも共感し、端から端まで食い入るように観ている自分がいた。そんな私の気配を夫は察したのであろう。

つづく。

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