お母さんシンガーソングライター 始まりの物語
※フィクションです。登場する人物や地名は実際のものとは関係ありません。
第8話:「ふしぎ野の森コンサート」当日・後半
夫が和博を休憩に連れ出してくれた。
ライブって、やっぱり面白い!夫が作ってくれた時間を存分に楽しもうと思った。
次のステージは、演劇だった。
「演劇集団Kurara」
20代後半~30代の人が中心の、市民劇団だった。
シナリオは町の老舗のお菓子屋さん同士による、「元祖」「本家」を巡るちょっとした抗争を、コミカルに描いた作品だった。
脚本・演出も、自分たちでオリジナルでやっているらしい。
分野は違えど、オリジナル作品という点にとても刺激を受けた。社会人をしながら、好きなことも続けて、こうして人前で作品を発表し続けている人がいる。
よく練習された縁起と小気味よい展開で、笑いを交え、観客はステージに引き付けられている。
私もお芝居を楽しみながら、でも頭の片隅では、「みんなで集まって練習とかどうやってるんだろう」「仕事をしてる人が多い世代だから平日の夜とか、休日かな。」「家族は?子どもは?」 そんなことを考えていた。
1歳半の息子の子育て中・専業主婦には、到底入っていけない世界のように見える。羨望と、自分にはできないという気持ち。
喜劇に笑いながらも、なんだか胸がざわざわした。
演劇が終わり、いよいよプログラムも残り一つ。
夫と和博も、客席に戻ってきた。
++
しまひろこ楽曲 フルで聴けます♪
「LINE Music」「Apple Music」に登録されている方は、「しまひろこ」で是非検索を♡聴いていただくだけで、活動応援になります♡
試聴・単曲ダウンロードはこちらから
http://shimahiroko.com/?page_id=75
++
トリは「おやじバンド~Yujiと仲間たち~」という3人組だった。
ロマンスグレー、ギター片手にホンワカした雰囲気のある50代後半くらいの Yujiさんは、市内の小学校の名物・校長先生とのことだった。ギター片手にオリジナル曲で、校訓や子どもたちに向けたメッセージソングを歌う、市内では有名な方のようだった。
そのYujiさんを中心に、今回のステージでは男性トリオで出演とのこと。ベースはシャキッとした白シャツが凛々しい40代くらいの教頭先生、そしてカホンは若手の先生だった。
1曲目は『Stand by me』。カホン、ベースの心地よいリズムにつづき、Yujiさんの歌声。かなり歌い込んでいる、慣れた印象で、一声を聴いて客席にもリラックスして聞いていこうというムードが漂った。
2曲目は、ひがし野ひろしま市内の小学校の共通の生活目標を歌にした「あいさつをしよう くつをそろえよう」という曲だった。
楽しい、可愛いアレンジの歌になっていた。それを校長先生自ら楽しそうに歌う。とても素敵だなと思った。
歌を歌う。歌を作って歌うということ、幾つになっても楽しめるものだ。それぞれの年代、そしてその人だからこその、作る歌があるだな、ということを感じた。
歌の合間のYujiさんのおしゃべりも弾む。続いて、子どもたちへのメッセージソングがホールに響いた。
つづく。
小説「SHALL WE SING?」~ひがし野ひろしま市編~インデックスページへ~
リアル★お母さんシンガーソングライターしまひろこの現在の挑戦は、HP TOPからご覧ください♡いつも応援頂き本当にありがとうございます!